遅まきながら単行本感想
211話が描き下ろしだった
本誌を追う意味がないレベル
お前たちならやれると信じていた
のコマの鯉ちゃんの表情変更は当然
本誌だと中尉大好き顔ですごく違和感あったしね
何も話さず逃げるのは物足りないけど
ひと目見ればどんな人間かわかると言ったリパさんの観察眼の凄さを表していて
それはそれで納得していた
でもまあ話してくれてよかった
逃げたのに説得力出たし
スッギとはいつでも会えるっていうのは大嘘だけど
中尉が「みんなが幸福になる未来を目指す」と言ったのは
嘘くさいけど嘘じゃないように思える
ただ「そのためには監禁されてね? 協力してくれるよね?」っていうだけで
そのあとのぉえッの白石を見るウサミンの酷薄すぎる表情が好きだ
リパさんが急に
ウイルクが土方さんに自分の存在を伝えた理由を説明していて驚いた
そうなの? 初耳だよ?
だとしたらウイルク無茶すぎんか
優しい嘘はどうした?
と焦る軍曹が素敵だ
まだ子供のリパさんに中尉が真っ向勝負するの? マジ? という感じ
そう中尉は甘い嘘を使わずに
リパさんを本気で相対する存在として認めて話してるようにも見える
ウイルクと重ねちゃったんだろうがスッギとは真逆だ
中尉は平常心を失った
ここで銃弾の描写が追加されたことにより
あれはウイルクが妻子を故意に撃ったのだという説が出てきた
しかしウイルクがそれをやる理由がわからない
口封じだというなら長谷川さんも殺さないといけない
故意ならウイルクは絶対的悪になってしまう
妻子を故意に殺されたのなら相手に復讐すればすむけど
そうでないからこそ
民族間の対立や国家間の戦争の犠牲になる者をなくすには社会を変革するしかないと誓ったのだろうし
ただ関わったことで妻子の死に繋がった人間の娘を前にして冷静でいられなかったってことかなと
今の少尉に「くだらない人間とは思えない」と言わせるのなら
中尉がどういう人かというのはそこに着地するのだと思う
「本当の目的はない」という軍曹の推測は正しくて
本当の目的ではなく「本当の動機」(妻子への想い)はあるということじゃないだろうか
中尉はアイヌというかウイルクへの不信を剥き出しにしちゃったけど
間違ったことを言っているわけではない(監禁しようとしたのは駄目だが)
理屈がおかしいというのではなくて
脳汁出しすぎたせいでヤバい奴だと思ったのが
リパさんの逃げた理由とも見えるし
まあそれだけでも逃げるのには十分な理由だけど
中尉の言葉に理がないよという決定的なものはなかったので
鯉ちゃんによる中尉評が正しいことは裏付けられたんじゃないでしょうか
ところで
210話で軍曹が
中尉の人心掌握術について語る際に爆弾から庇った時の回想が入ってたけども
不信感一杯だったのに庇ったのは軍曹がもともと持っていた優しさのせいだと思っているので
自分が優しいというのを甘さと捉えて認めていないから
庇ったことも中尉の人心掌握術に自分が嵌っていたせいだと思い込んでいるように見える
そうじゃないんだってことをいずれ気付けるといいですよね
大好きな上官と一緒に
部下たちドン引きの場面で軍曹と鯉ちゃんが隣に立ってるのが
手をつないでそうですごくよかったです