軍曹があまりにジェントルマンなので考えた
だってフレップねえさんのことを本人がいないところですらオバサンとか言わず
ねえさんと呼んだりするし
あの時代の将校以外の軍人は大体が農民出身のようで
(そもそも国民のほとんどがそうだから)
軍曹も新潟の農家の次男坊とかかと思っていたが
ロシア語もペラペラだし
あまりにジェントルマン あまりにノーブルなので考え直した
実は結構いいとこの子なのかもしれないと
地主の子とかであの時代で中学とか出てるのかも
たとえば親が教師で自分も師範学校に行こうと考えていたが
親が死んだり没落したりでお金がなくなってしまい
弟を学校に行かせるために自分は諦めて入営とか
妹の身売りを防ぐために給金ほとんど仕送りしてるとか
そして出会ったマジもんのボンボン
自分にはないしっかりした家と資金を持って
それが当然のように生きている
補佐することとなるがそういう先入観から心密かに反発していた
だけど身分や家柄を鼻にかけたところなどない
有能でひたむきで屈託のない真っ直ぐな青年だった
自分の境遇を話せば援助しようとするだろう
だから何も言わない
そして恋に落ちる二人
何かのきっかけで実家が大変なことが明るみに
「なぜ早く言わないのだ!!」
「俺の問題ですから」
ぎくしゃく
続かない
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