土方さんは刀身が折れた人間が斃れるのを幾多と見てきたのではなかろうか
刀身が折れたら勝てないというのを経験していたからこそ
己の勝利を意識してスキが生じてしまったのかも
リパさんたちがいるのに気付いていて
巻き込まないために先生だけを倒そうと自爆選んだのかな軍曹は
汚れ仕事をするには真っ当すぎる
もっとサイコな連中を懐刀にすべき……いたけども
それだと愛でどうこうする難易度が上がるんだろな
軍曹が奉天で殴りかかった時の中尉を思って命を使う決意をした
そこには迷いを払う必要があったように見える
最近のことすなわち
自分を理解しようとしてくれて見届けると宣言した少尉のことを
敢えて考えないようにした
そんな風に見える
大切なものを諦めて捨ててきた
いごちゃんのことを少尉にそう語った軍曹
自分を大切に扱ってくれた少尉の命が今の軍曹にとって最も重いものとなっており
今度こそ大切なものを諦めたくないという気持ちが芽生えていて
それが手榴弾を爆発させることに強いブレーキをかけた
手榴弾を握る手の震えは
任務=中尉と私情=少尉の板挟みになった軍曹の心の震えそのもの
己の人生には価値がないといい
「自分の仕事をやるしかない」と半ば自棄になっていた軍曹に
命がけで守りたいものができた
喜ぶべきことだと思う
中尉の言葉を立ち聞きして目にハイライトが入ってしまい
まだその状態のはずなんだが
中尉が何度メンテナンスしても少尉がバグを起こさせてしまうのだろう
結果またしても少尉殿を死なせないために軍曹が任務遂行を放棄しようとした
ビール工場の回が2020年11月だったので読者にとっては1年3カ月ぶり2回目
作中では2日ぶり2回目
筆で書かれたフキダシに入った必死の訴え
いきい
んかつ
だなも
斜めとか横とかに読むと「好き」とか入ってるのかと必死で見てしまった
(何をやってるんだ)
「いかだ」しか見つけられませんでした
透かしで「愛してる」とか入ってるはずです
軍曹だって「行け月島」とかきかなかったくせに
来るなと言われても聞かずに軍曹を止めようとする少尉
状況を見ただけで
軍曹が自爆するしか先生を倒せないと考えたことは理解しているはず
任務を最優先するなら自爆が最善の方法だが
少尉は部下が任務のために命を捨てることをやむなしと思えない
死ぬなら自分からだと考えている
中尉にとって 部下は上の理想の実現のために命を懸けるもの
少尉にとって 部下は守るべきもの
ここで軍曹を止めるのは任務遂行の点からは褒められたことではないのかもしれないが
部下が死なずにすむ他の方法をギリギリまで探す
それが甘さではあるが人の上に立つに不可欠な情の深さでもある
ともかくも激重の軍曹を抱っこしたまま
わざわざ後ろ向いてまで投げてくれてありがとう先生…!
先生こそ義理も何もないはずなのに正義感と優しさでリパさんを守ってる
トレンド入ってますが手榴弾ごときで死なないと信じてるよ
土方さんどう見ても致命傷なのに若返ってる
まだ戦えるのか凄い
少尉との再戦じゃなくて中尉との直接対決になると予想
首魁同士が銀行強盗回から全く対面せずに終わるのはありえない
ちゃんと話をしてほしい
そのうえで幕末の亡霊に中尉が引導を渡すのかもしれない
年長者が理想の達成のために権謀術数めぐらせても
時代を動かすのは若者のエネルギー
折れた刀をめり込ませた少尉はその象徴
老兵は理想を任せるに足る若者の成長を見届けてて去れれば幸い
中尉が少尉に発した「任せられる」は嘘ではないと思う
今すぐ任せるつもりがあるかは別として継ぐ者としての少尉の器は評価してるはず
リパさんを守るスッギたちも少尉を守る軍曹もそこに希望を見ている
中尉も土方さんも目指した理想が望んだそのままの形ではなくとも
いずれ体現するという希望を感じて最期を迎えてほしい
誰も死なないのが一番いいんですけど!
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